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求人票と実際の労働条件が違う?!

                              弁護士 馬越 俊佑


 2018217日に、民法協(http://www.minpokyo.org/about/)という団体が毎年開催している「権利討論集会」というシンポジウムで、求人詐欺、いわゆるブラック求人の研究会、勉強会を行ってきました。
 最近、求人票を見て面接に行ったのに、労働条件が求人票と違う、あるいは、雇用契約時に求人票と異なる労働条件の契約書を提示され、署名押印してしまったという相談が増えています。
 職業安定法が改正されたことに伴い、2018年11日からは、ハローワークの求人票について、試用期間がある場合にはその旨の記載が必要であったり、固定残業代制度を採る場合には、固定残業代部分を引いた基本給を記載しなければならなかったり、求人票の内容と異なる労働条件で契約する場合には、対照表を提示したり、色を変えて提示しなければならない等といった一定の規制が出来ました。
 詳しくは、厚労省のパンフレットをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000171017_1.pdf

 しかしながら、これを破った場合については罰則がなく、異なる労働条件の契約書に署名押印させられた場合には、やはり契約の内容を争う必要が出てきます。
 昨年の3月30日に京都地裁で画期的な判決が出され、求人票とは異なる内容の雇用契約書に署名押印してしまった事案について、「当該行為が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するかという観点からも判断されるべきものと解するのが相当である」と述べ、結果として契約の変更を認めませんでした。
 勉強会では、こういった最新の情報を提供するとともに、実際に来た相談の内容を共有しました。
 この他、固定残業代やソーシャルハラスメントの問題、退職妨害といった内容についても扱いましたが、また後日ご報告します。
 裁判例は日々進化しており、労働法分野に関する専門的な知識も必要となります。
 もし心当たりのある方がいらっしゃれば、初回相談料は30分無料ですので一度ご相談にいらして下さい。




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